10月29日(日)
31日(火)から始まる個展の搬入を前日に控え
紅型職人である父と販売予定の着物の価格について
本気で話し合いました。
私からしたら
美しさを追求した1点品の作品である着物に200万円と言う価格は
「安すぎる!」と思っていたのですが
職人である父は、その価格を変えようとは一切しなかったです。
ただ、私も今回ばかりは
「はい。そうですか。」と引き下がる訳にはいきません。
自分の意思を貫き通して制作した作品だから
最後に販売する価格も自分の意思を貫き通させてくれ。
と言う父と、
「どうせ販売するのであれば、『安いから』と価格で購入するのではなく、『価値』を感じて購入する人に購入してほしい」
と言う息子の考えは、平行線で
それは、私(息子)の考えでしょ♪と言われてしまいます。
私の考えと言われても
引く訳にはいきません。
後は、根気比べです。
・お金の為に作った商品と、美しさの事だけ考えて創った作品は、価値が違う。
・自分の美学を貫き通した親父の作品は、こんな金額なはずがない。
・価値をしっかり感じてもらう為に、せめて、表示価格だけでも高めにして欲しい
など、私の持っているボキャブラリーすべてを駆使し
突っ込めるだけの感情を突っ込み
父の着物が200万円は安すぎると言う想いを伝えます。
話はじめる事、約2時間・・・
最後に父が言ったのが
ギャラリーの担当の人と話しをして
先方がOKだったら、その価格で良い。との結論になりました。
そこですぐにギャラリーの担当の人に電話をして
その旨を伝えた所
ギャラリーの担当の方より
父が着物を200万円で販売しようとしている本当の理由を聞く事ができました。
それが
「あまりにも高くし過ぎると業界の人から馬鹿にされるのを恐れている。」
それを聞いた時に
この業界の「闇」を感じると同時に
なんとも言えないやるせない気持ちになりました。
業界歴60年以上の
大御所と言われる父でも
そのような考えになるのだから
若手の人達は、もっとだろうな。と思いました。
その業界の闇を
今回の個展で少しでも払拭できるように
私も頑張ろう!と強く決意しました。