琉球王朝時代の雪が描かれている紅型のご紹介

2023/02/13

【職人達の柄に込められた「想い」と「技術力」】

Shoutarou Bingata NAHAでは
琉球紅型職人である父の原点でもあり
その美しさを
次世代に伝える為に
どのようにしたら良いか
60年以上、試行錯誤している
「琉球王朝時代の紅型」の美しさを知って頂く為に

毎月1回、那覇市歴史博物館に展示されている
琉球王朝時代の紅型をご紹介しております。

今月は、
「雪が描かれた紅型衣装」です。

 

紅型なのに「雪」と思われた方も多いのではないでしょうか。

何を隠そう
私も今回の作品を見た時に

「えっ!?雪!?!?」

と思いました。

雪が降らないはずの沖縄で
なぜ、雪の柄が描かれているのか
作品を見ながら一緒に考えて行ければと思います。

1.雪持松竹梅文様 苧麻衣装

松竹梅の縁起の良い柄に
沖縄では見られない笹に積もる雪
なぜ、この組み合わせ?と考えながらも
どこか、「落ち着き」と「気品」が感じられる柄になっており
当時の職人達の表現力の高さを感じさせられる柄になっております。

2.松竹梅鶴鳥霞雪輪文様 木綿衣装

沖縄ではあまり見られない霞の間を飛び交う「鶴」と「鳥」

そこに積もった雪

きっと当時の職人達は、そのような情景があったら
美しいんだろうな・・・と考えたのではないでしょうか。

それらを藍色ベースで表現し
所々に配られた「緑色」

当時は、藍とフクギを合わせないと「緑色」が表現できないと考えると
この「緑色」が
「柄」を、
より一層、引き立て
美しく感じるのは、私だけでしょうか。

3.雪輪七宝桜梅文様 絹袷衣装

琉球紅型らしい鮮やかな黄色地

それだけでなく
こちらの「柄」は
雪輪だけでなく、
紅葉や梅など
沖縄にはない日本的なモチーフが
多く用いられております。

この事からわかるように

琉球紅型は、本土の影響も大きく受け
絵師達が、その美しさを想像しながら描いたのではないと思います。

なので、琉球紅型の柄は、
固定概念に囚われず
自由な発想で描いており
見ているだけでもワクワクするのではないでしょうか。

 

いかがでしょうか?

固定概念に囚われず
表現していった結果

このような当時の職人の自由な発想が
沖縄にはいない生き物や植物が描かれるようになり
紅型独特の「柄の面白さ」に繋がっているのではないでしょうか。

そして、父もその楽しさを
しっかり受け継ぎ
琉球紅型を創作しているんだなと
今回の展示を見て
気づかされました。

 

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