「接客は向いていない」と逃げていた私が、過去最大の覚悟を決めて東京・表参道へ行く理由
それは、紅型職人である父の美学を証明したいからでした。

本当は怖くてたまりません。

2026年1月23日(金)、24日(土)。 私は、日本のファッションの中心地、東京・表参道にある「AQspace」という場所に行きます。 そこで、私のブランド初となるPOPUPイベントと、ミニファッションショーを開催するためです。

今、この文章を書きながらも、正直なところ私の手は少し震えています。 なぜなら、このたった2日間のイベントのために、私のような地方の小さなブランドにとってはあまりにも大きな、約50万円以上の費用がかかるからです。

1.沖縄から東京への往復航空券(3泊4日):約4万円
2.期間中の宿泊費:約2万円
3.会場費(モデル費込):約15万円
4.このショーのためだけに制作する衣装サンプル代(8点):約30万円

この数字を見るたびに、ため息が出ます。

「本当に、やるの?」
「身の丈に合っていないんじゃない?」

と、もうひとりの自分が、耳元で囁くのです。

なぜここまで不安になるのか。それには理由があります。
私はこれまでの経験から、自分は「対面販売」には向いていないと痛感しているからです。

実は過去に、7日間の沖縄物産展や、西武池袋本店での催事に出展させていただいたことがあります。 多くの人が行き交う場所。チャンスは目の前にありました。 しかし、結果は惨敗でした。 7日間の催事であっても、売上は50万円に全く届きませんでした。

・お客様にどう声をかけていいかわからない。
・商品の魅力をうまく言葉にできない。
・ネット越しなら伝えられる想いが、対面だと喉につかえて出てこない。

「やっぱり、私はネットだけでひっそりと販売しているのが性に合っているんだ。」

そう自分に言い聞かせ、逃げるように沖縄へ帰った日のことを、今でも鮮明に覚えています。

それなのに、なぜまた挑戦するのか。
しかも、今までで一番コストのかかる東京・表参道で。 失敗すれば、大きな赤字が残るだけの無謀な賭けです。

それでも私がこの場所へ行くことを決めたのは、どうしても果たしたい「約束」と、見ていただきたい「景色」があるからです。

琉球紅型職人である父が貫き通した70年の美学

私のブランドの根底にあるもの。
それは、沖縄県指定無形文化財技能保持者である、私の父が描く「柄」です。

父は、15才から職人になり、70年以上もの歳月を、琉球紅型(びんがた)という沖縄の伝統工芸に捧げてきました。 来る日も来る日も、工房にこもり、黙々と型紙を彫り、色を差す。 その背中は、人生のすべてを紅型に捧げてきた、揺るぎない信念の塊のようでした。

父の信念は、 「貧しくても良いから、自分の美学を貫こう」 です。

伝統工芸の世界も、時代とともに変化を求められます。 売れる色、流行の柄、安価に作れるお土産品……。
世間の波に合わせれば、もっと楽に生きられたかもしれません。
しかし、父はそれをしませんでした。 不器用なまでに自分の信じる「美しさ」を貫き通し、妥協のない手仕事だけを続けてきました。

私は、そんな父の生き様を誰よりも尊敬しています。 けれど同時に、悔しかったのです。 こんなにも素晴らしい作品が、沖縄という島の中だけで、限られた人にしか知られずにいることが。

「父の柄をもっと多くの人に届けたい」
「でも、ただの伝統工芸としてではなく、現代の女性が日常で輝けるファッションとして」

その想いから生まれたのが、私のブランドです。
父が守り抜いてきた伝統的な柄を、あえて「モノトーン一色」にする。
それは、極彩色の紅型に対する反逆であり、同時に、柄そのものの力強さを証明するための挑戦でもありました。

おかげさまで、InstagramやFacebookを通じて、多くの方に知っていただくことができました。

「こんな紅型、見たことがない」
「モノトーンだからこそ、柄の美しさが際立つ」

そんなお声をいただくたびに、父の70年以上貫き通した創作活動は間違っていなかったと、胸が熱くなります。

しかし、画面越しでは伝えきれないものがあります。 父が彫り込んだ線の繊細さ。 生地の質感。 そして、それを纏った時に背筋が伸びるような高揚感。

「実物を見てみたい」 「でも、沖縄まではなかなか行けない……」

お客様から届くその言葉に、私は応えたいと思いました。 PCやスマホの画面ではなく、皆様の目の前で。 父の柄が、東京の街でどれほど美しく映えるのかを証明したい。 過去のトラウマを乗り越えてでも、やる価値がある。 そう信じて、3回目の、そして最大規模の挑戦を決意しました。

POPUPイベントの詳細

日時;2026年1月23日(金)・24日(土)12時〜18時
場所;AQspace(東京・表参道)
※24日(土)15時〜16時は、ミニファッションショーを開催します。

今回のイベントは、ただ商品を陳列して販売するだけの会ではありません。 「伝統」が「モード」に変わる瞬間を目撃していただく、特別な2日間です。

会場では、新作のワンピースや浴衣、アロハシャツを展示販売するほか、モデルを起用したミニファッションショーを開催します。 沖縄の伝統柄を纏ったモデルたちが、表参道の空間をランウェイに変える。 父の描いた柄が、動きの中でどのような表情を見せるのか。 その迫力を、ぜひ生で感じてください。

このPOPUPイベントは、5ブランド合同のPOPUPイベントになります。
他、ブランドは下記になります。

・Vivat Veritas  ・MEZUcafu  ・Catwalk Bijoux ・CARASTO ・haru(敬称略)

この挑戦を成功させる為に、
あなたの力を
貸してください!

このイベントを実現するためには、会場費やモデルさんの衣装制作費など、多額の資金が必要です。 私一人の力では、正直なところ限界があります。 そこで、この挑戦を応援してくださる皆様のために、特別なアイテムをご用意しました。

【東京POPUP開催記念】 琉球紅型応援・限定スカーフ(エメラルドグリーン)

通常、私のブランドは「モノトーン」にこだわっています。 白と黒の世界こそが、父の柄を最もモダンに見せると信じているからです。

しかし今回、この東京挑戦のためだけに、特別な「色」を解禁しました。 選んだ色は、「エメラルドグリーン」

それは、私たちが生まれ育った沖縄の海の色であり、 海を越えて東京へ向かう「希望」の色であり、 これからの未来を切り拓く「挑戦」の色です。

モノトーンのコーディネートの中に、ひとさじの沖縄の風を。 首元に巻くだけで、顔周りがぱっと華やぎ、洗練された印象を与えてくれます。 もちろん、柄は父が制作した伝統の紅型柄を使用しています。 シルクのような肌触りと、唯一無二のデザイン。 40代以上の大人の女性にこそふさわしい、品格のある一枚に仕上がりました。

価格:9,800円(税込)

このスカーフの売上は、全額、今回のイベント開催費用(モデル衣装代、会場費、渡航費)に充てさせていただきます。 つまり、このスカーフをご購入いただくことは、私たちのショーの「スポンサー」になっていただくことと同じなのです。

【購入者限定特典】
当日、会場にお越しいただけない方もいらっしゃると思います。 そこで、このスカーフをご購入いただいた皆様全員に、「当日のミニファッションショーの様子を収めた特別映像」を後日プレゼントいたします。

あなたがこのスカーフを身につけてくださることが、私たちのランウェイを支える力になります。

私の想い

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

「伝統を守る」ということは、ただ古いものをそのまま残すことではないと、私は思っています。 時代に合わせて変化し、新しい場所へ飛び出し、今を生きる人々に愛されてこそ、伝統は続いていく。

父が70年以上かけて守ってきたバトンを、私は「モノトーン」という形に変えて受け取りました。 そして今、そのバトンを持って、沖縄から東京へ走ろうとしています。

正直、50万円の経費を回収できるかどうか、怖さは消えません。 また「向いていない」と落ち込んで帰ることになるかもしれません。

でも、もし皆様がこのスカーフを手に取ってくださるなら。
「応援しているよ」という想いを託してくださるなら。
私は胸を張って、表参道に立つことができます。

「貧しくても良いから自分の美学を貫こう」 そう言った父の誇りを、東京の空の下で輝かせたいのです。

どうか、この挑戦の「共犯者」になっていただけませんか? このエメラルドグリーンのスカーフが、あなたと私たちを繋ぐ絆となることを願っています。

あなたの応援を、心よりお待ちしております。